ダニール・トリフォノフ ピアノリサイタル@サントリーホール
2024.4.11(木)サントリーホール公演。
いつからでしょうか、たまたまYouTubeで彼の演奏を耳にした日からすっかり虜になってしまっていました。
なんと言ったらいいのか、とにかくその音と音楽に今まで感じたことのない感覚を覚えたのです。
この音、音楽を実際に聴いたらどんな感じなのだろう。いつか生で聴いてみたい‥
と思っていました。
そして、その「いつか」がついに!!
‥その演奏は、録音で味わった深い感動をさらに超えてくるものでした。
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颯爽と会場にあらわれた彼は足がものすごく長く、スタイル抜群!!
ひとたび演奏が始まると、そこにはただ祈りと音楽しかないように感じました。
そして作曲者に対する畏敬の念も。
ものすごいテクニックなのに、そのテクニックで自分をひけらかすように聴こえるところはひとつもなくて、すべてがただただ音楽。
そしてあれだけ表情豊かな音楽なのに、表現に誇張や不自然さも全くないところも本当に素敵でした。
また、特筆すべきはメロディの滑らかさ!
鍵盤と鍵盤の境目が消えてしまったような音のつながりの滑らかさは驚愕でした。
ものすごいピアニッシモでも物足りなさなど微塵も感じないし、聴衆を集中させる。
えもいわれぬ、やわらかさ。どこまでも優しい音‥
あんなにも広い会場にもかかわらず、暖炉のついたあたたかい部屋でまるで隣に座って
優しく語りかけてくれているようなそんな音と音楽でした。
かと思えば、フォルテの響きもものすごく、
和音が素晴らしいバランスでひとまとまりになって重厚になりひびく。
地の底から鳴り響いているような低音にも心が揺さぶられました。
全ての声部が歌っていて
ひとりで弾いているなんて信じられない‥!!ものすごく立体的に聴こえました。
演奏がクリスタルのような輝きを放ち、そして何色もの色となって私の目の前にあらわれました。
直前に美術館に行っていて色調の美しさを目で味わっていたのですが、
隅々までそのバランスを計算された絵画の色調と似たような、例えば端のほんの一角がグレーだとしたらそのグレーですらおそろしいほど変化に富んでいる、そんな感じを耳で体感することができました。
本当にすごい音楽を聴いてしまいました‥
言葉足らずでまだまだ感動をお伝えしきれていない気持ちですが、私の熱量が伝われば嬉しいです😂
とにかく素晴らしかったです。
ものすごく幸せな時間でした。
次回も絶対聴きに行きたいなぁ。
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